鯛めし
先日、あるお店で鯛めしをいただきました。
厳選したお米と、和歌山県産の天然真鯛を信楽焼の土鍋で炊き上げる、こだわりの一品です。
注文を受けてから炊き始めるため、出来上がるまでには30~40分ほどかかります。
この日は鯛めしを待つ間に、お刺身や天ぷら、日本酒に合うさまざまな肴も堪能しました。
そして、待ちに待った鯛めしが登場。

お店の方が土鍋ごと運んでくださり、目の前でふたを開けると、ふわりと立ちのぼる豊かな香りに思わず笑みがこぼれます。
もちろん味も格別でした。やさしい味わいの中に鯛の旨みが凝縮されており、一口ごとにほっとするような美味しさです。炊きたてならではの香りと、土鍋で炊き上げたご飯のおこげも印象に残りました。
鯛めしには、非常に古い歴史があるといわれています。
伝承によれば、日本書紀にも登場する神功皇后が朝鮮半島へ出陣したとされる「三韓征伐」の頃、鹿島明神で戦勝を祈願した際に、漁師から献上された鯛を吉兆として喜び、その鯛で炊いたご飯を供えたことが鯛めしの始まりとされています。
また、鯛の養殖が盛んな愛媛県は、鯛めしの本場として広く知られています。南北朝時代に活躍した村上水軍につながる伊予水軍も、鯛を使った料理をよく食べていたと伝えられ、県内には鯛めしを味わえるお店が数多くあるそうです。
鯛めしには、土鍋で鯛を丸ごと炊き込むタイプだけでなく、宇和島地域を中心とした、鯛の刺身を卵入りのたれとともにご飯にかけていただくタイプもあります。
いずれも鯛の魅力を存分に味わえる、愛媛ならではの郷土料理です。
今回いただいた鯛めしも素晴らしい一品でしたが、いつか愛媛を訪れ、本場ならではの鯛めしを食べ比べてみたいと思います。


